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遺言の基礎知識

この遺言書は有効か?無効か?

有効?無効?

遺言書が正式なものでなければ、その効力を発揮しません。公証人によって作成される公正証書遺言にはその心配はありませんが、それ以外の形式の場合、いくつかの要件を満たす必要があります。

自分で遺言書を作成する際の主な注意点

日付については、作成した日の年月日を正確に記載する必要があります。年月だけの記載では無効になります。内容を修正する場合、簡単な変更なら前述の方法でも構いませんが、大幅に修正したい場合は新たに書き直す方が良いでしょう。これらの点に注意すれば、自筆証書遺言を作成するのはそれほど難しくありませんが、公正証書遺言の方が確実です。また、複数の遺言書を作成した場合、条件を満たしているもので最も新しい日付のものが有効とされます。

自筆による全文作成

遺言書は、自筆で全文を書き、署名、日付、押印をしなければなりません。この要件を満たさない場合、その遺言書は法的に無効となります。自筆証書遺言の場合、全文を手書きで作成する必要があります。これは、遺言者の意思が明確に表されることを確実にするためです。

修正箇所の手続き

遺言書に修正箇所がある場合、遺言者がその変更場所を示し、変更したことを明記して署名、押印する必要があります。変更が不適切に行われた場合、遺言書全体が無効となる可能性があります。修正箇所が多い場合や重要な内容の変更が必要な場合は、遺言書を新たに書き直す方が安全です。

署名

署名は同一性が認められるならば、通称やペンネームでも構いません。ただし、署名が本人のものであることが証明できるようにしておくことが重要です。署名が本人のものであると確認されることで、遺言書の信頼性が高まります。

押印

押印は実印でなくても構いませんが、家庭裁判所の検認手続きが必要な場合には、実印の方が確実です。印鑑が違う場合でも、本人の意思が明確であると認められることが重要です。

パソコン作成の無効性

パソコンで作成してプリントアウトしたものや、代筆されたものは無効です。遺言書は自筆でなければならず、印刷されたものは法的に認められません。

遺言書の効力を確保するための手続き

自筆証書遺言の場合、遺言者が亡くなった後に、家庭裁判所による遺言書の検認手続きが必要です。これは、遺言書の偽造・変造を防止し、その保存を確実にするためです。検認手続きは、遺言書が存在することを確認し、その内容を証明するためのものです。

自分で遺言書を作成できる場合は問題ありませんが、認知症の症状が出ている場合、意思判断能力が問われます。補佐型の認知症であれば、保佐人の同意なく作成できます。しかし、認知症が後見型まで進んでいる場合、自筆の遺言書であっても無効になります。成年後見人が選任されている場合、本人の意思判断能力が一時的に回復した時に、医師2名以上の立ち合いのもとで遺言を作成する能力があると証明された場合に限り、遺言書を作成できます。

遺言書の保管と通知

遺言書を作成した場合、その存在を誰かに通知しておくことが重要です。遺言書が発見されないままでは、遺言書の内容が実行されることはありません。遺言書の存在を信頼できる人に伝えておくか、弁護士や信託会社に保管を依頼することで、遺言書が確実に見つかるようにしておくことが必要です。

遺言書の効力を確実にするためには、適切な形式を守り、必要な手続きを踏むことが重要です。公正証書遺言の利用や信頼できる人への遺言書の存在通知も、有効性を保つための重要なポイントです。遺言書の形式や内容について不安がある場合は、専門家に相談することをお勧めします。

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