被相続人から生前に家のリフォーム代を出してもらっていた相続人がいる場合、その代金は遺産分割に際して考慮されるのでしょうか?
はい、考慮されます。生前に財産をもらった相続人は「特別受益者」と呼ばれます。遺産分割の際には、この特別受益を含めて相続財産を計算し、その総額から各相続人の取り分を決定します。特別受益者は、もらった分を差し引いて残りの相続分を受け取ることになります。
遺産分割協議中に、被相続人の実子だという人が現れました。その人を他の相続人や親族は誰も知りません。この場合どうすればいいですか?
まず、その人の戸籍を確認しましょう。もしその人が被相続人の認知した子であることが判明したら、その人も相続人として扱われます。遺産分割協議を始める前に、被相続人の出生から死亡までの戸籍を入手しておくと、このような問題を避けられます。
相続人の1人が被相続人の介護を長期間行っていた場合、その貢献は遺産分割に考慮されますか?
はい、考慮されるべきです。被相続人の介護や事業の手伝いなどの寄与分がある場合、その寄与分を遺産分割に反映させることができます。ただし、寄与分の具体的な算定基準は民法では定められていません。相続人同士で合意できれば、その割合を自由に決めることができますが、合意が得られない場合は家庭裁判所での調停が必要になることもあります。
遺産分割協議後に遺言書が見つかりました。分割内容は遺言にほぼ一致していましたが、遺言では執行者が指定されていました。この場合、もう一度遺産分割をやり直すべきでしょうか?
遺言執行者が現在の遺産分割の結果を認めれば問題ありません。しかし、遺言と異なる遺産分割が遺言者の意思に反すると遺言執行者が判断した場合、その分割結果は無効となり、遺言に基づく分割が行われる可能性があります。
遺言に書かれていた財産がすでに処分されていました。この場合どうすればいいですか?
遺言に記載されていた財産が生前に被相続人によって処分されていた場合、その財産に関する遺言は無効となりますが、その他の遺言内容は有効です。民法1023条に基づき、生前処分により遺言はその部分だけ撤回されたとみなされます。
相続人に胎児がいます。このような場合の遺産分割協議はどのように行えばよいですか?
胎児はすでに生まれたものとみなされるため、胎児を相続人として扱わない遺産分割協議は無効です。胎児に特別代理人を立てるか、あるいは生まれるまで遺産分割協議を待つのが一般的です。急を要する場合は、家庭裁判所に遺産分割審判を申し立てることもできます。胎児が代襲相続する場合も、胎児は相続人として認められます。