認知症になった場合の具体的な懸念に対処するためには、任意後見制度を利用し、認知症になる前に後見人を決めておくことが最善です。認知症になってからでは、自分の希望通りの後見人が選ばれるとは限りません。また、後見人も事前に相談しておけば、実際に後見が始まったときにスムーズに対応できます。
後見人を選ぶポイント
後見人を選ぶ際には、次の3つのポイントを考慮しましょう。
本人よりも若く健康であること
長期にわたって支援を続けられるよう、若くて健康な人が望ましいです。
時間的・精神的な余裕があること
本人をしっかりと支えられるように、時間や精神的な余裕があることが重要です。
経済的に安定していること
経済的な問題がないことも重要です。財産管理を適切に行える人を選びましょう。
これらの条件を満たし、成年後見制度についての知識を持つ信頼できる身内がいる場合、特別な理由がない限り、任意後見人を専門家に任せる必要はありません。
任意後見契約の手続き
任意後見人を決めたら、自分の老後生活の希望をしっかりと伝えましょう。後見人は、介護施設の利用や終末期の医療、財産の管理方法など、重要な事柄に関する代理権を持つことになります。そのため、契約内容を公正証書でまとめておくことが必要です。これにより、親族からの訴訟リスクも軽減されます。
任意後見契約の内容
任意後見契約には以下のような内容を含めることが重要です。
介護施設の利用
どのような施設に入居したいか、どの程度の介護が必要かを明確にしておきます。
終末期の医療
延命治療やホスピスケアについての希望を伝えておきます。
財産管理
財産をどのように管理し、利用するかを詳細に記載します。
公正証書での契約
契約内容を公正証書でまとめることで、法的に有効なものとなり、後見人の権限を明確にできます。これにより、後々のトラブルを防ぐことができます。
任意後見人の負担
任意後見人は、多大な責任を負うことになります。財産管理や介護の決定など、重要な役割を果たすため、信頼できる人を選び、しっかりとサポートする体制を整えることが大切です。
任意後見制度を正しく利用することで、自分の老後の生活を安心して送ることができます。早めに準備を進め、信頼できる後見人を選び、しっかりと契約内容をまとめておくことが重要です。